ふむふむラボ
冬場の建設・土木現場で避けて通れないのが「寒中コンクリート」の打設です。
結論として、日本建築学会の基準(JASS5)では日平均気温が4℃以下になることが予想される時期のコンクリートを寒中コンクリートと定義しています。打設後24時間はコンクリート温度を5℃以上に保ち、養生期間は積算温度をもとに、セメントの種類と予想気温に応じておよそ3日〜9日程度を目安に設定します。
気温が著しく低い時期のコンクリート施工では、内部の水分が凍結して強度が著しく低下する「初期凍害」を防ぐため、適切な温度管理と保温養生が欠かせません。
しかし、現場の施工管理者様からよく耳にするのが「養生シートが使い捨て状態で、毎回購入するため費用がかさむ」「重くてかさばるため、作業員の負担が大きい」といった、コストや作業効率に関するリアルなお悩みです。
本記事では、寒中コンクリートの正しい定義や基本的な養生方法、温度管理の目安といった基礎知識を分かりやすく解説します。
さらに、足羽川ダムの建設現場でも採用された、軽量で「再利用可能」な画期的な保温マットの事例もご紹介します。
冬季のコンクリート養生におけるコスト削減と、作業効率アップの両立を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。

コンクリートの保温養生に関するお悩み・ご相談はありませんか?
お問い合わせをする(無料)
冬場のコンクリート工事において、品質を左右する大きな要因が「温度」です。
まずは、どのような条件の時に寒中コンクリートとしての対策が必要になるのか、その定義と基準を確認しておきましょう。
日本建築学会の基準(JASS5)によると、「日平均気温が4℃以下になることが予想される時期」に施工されるコンクリートを寒中コンクリートと定義しています。
気温が4℃を下回ると、コンクリートの硬化反応(水和反応)が極端に遅くなります。そのため、通常のコンクリート打設と同じ方法では十分な強度が得られません。
地域によっては11月下旬から3月頃まで、長期間にわたってこの基準に該当するため、事前の対策計画が必須となります。
寒中コンクリートにおいて最も警戒すべきなのが「初期凍害」です。
これは、コンクリートが固まる前に内部の水分が凍結してしまう現象を指します。水は凍ると体積が約9%膨張するため、コンクリート内部の組織が破壊され、ひび割れや深刻な強度低下を引き起こします。
一度初期凍害を受けてしまったコンクリートは、その後いくら温度を上げても元の品質には戻りません。
そのため、打設直後からコンクリートの温度を一定以上に保ち、凍結を防ぐ「保温養生」が極めて重要になるのです。
寒中コンクリートの品質を守るためには、適切な養生方法を選ぶことが大切です。
ここでは、現場でよく用いられる代表的な養生方法と、それぞれの特徴について解説します。
寒中コンクリートの養生は、大きく分けて「練存(ねりぞん)養生」と「給熱(きゅうねつ)養生」の2つに分類されます。
| 養生方法 | 特徴 | 適した環境 |
|---|---|---|
| 練存養生 | コンクリート自身の熱(水和熱)を逃がさないよう、断熱性の高いシートで覆って保温する方法。 | 比較的温暖な地域や、外気温があまり下がらない日中の施工。 |
| 給熱養生 | 練炭やジェットヒーターなどの熱源を使用し、外部から熱を供給して温める方法。 | 寒冷地や、夜間に気温が氷点下になる厳しい環境。 |
練存養生・給熱養生のどちらにおいても欠かせないのが、コンクリートを覆う「保温養生シート」です。
コンクリート表面から熱が逃げるのを防ぎ、冷たい外気を遮断する役割を持っています。
コンクリートを流し込む「型枠」の素材選びも、保温に影響を与えます。
一般的に、鋼製(鉄製)の型枠は熱伝導率が高く、コンクリートの熱を奪いやすいため注意が必要です。
冬場は保温性に優れた木製型枠を使用するか、鋼製型枠の外側に断熱材を貼り付けるなどの凍結防止策を講じるのが基本となります。
寒中コンクリートの養生において、「いつまで保温を続ければいいのか」という期間の設定は、強度を確保する上で非常に重要です。
養生期間は、単純に日数だけで決まるわけではありません。「積算温度(日平均気温の合計)」という指標を用いて、コンクリートが初期凍害を受けないための十分な圧縮強度(通常は5N/mm2など)に達する時期を予測し、期間を決定します。
一般的には、使用するセメントの種類(早強ポルトランドセメントか普通ポルトランドセメントか)と、予想される平均気温によって、およそ3日〜9日程度の養生期間が目安として設定されます。外気温が低いほど、より長い養生期間が必要です。
養生期間全体を通した温度管理はもちろんですが、中でも特に重要なのが「打設後24時間」の温度管理です。
この初期段階は、コンクリートが凍結に対して最も脆弱な状態です。打設から24時間は、コンクリートの温度を「5℃以上」に保つことが標準的なルールとされています。
冷たい風を防ぎ、熱が逃げないよう隙間なく保温マットやシートで覆うなど、確実な対策が求められます。
寒中コンクリートの施工において、事前の計画や対策が不十分だと、思わぬトラブルに発展することがあります。ここでは、現場でよくある失敗事例とその対策について見ていきましょう。
最も深刻な失敗は、保温が不十分だったために起こる初期凍害です。
表面だけが凍結してボロボロと剥がれ落ちたり、内部まで凍結が及んで全体にひび割れが発生したりすると、最悪の場合はコンクリートを取り壊して打ち直し(ハツリ)になるなど、工期とコストに甚大な被害を及ぼします。
シートのつなぎ目や端部分に隙間があると、そこから冷気が入り込み、部分的に凍結してしまうことがあります。シートは重ね幅を十分に確保し、風でめくれないようにしっかり固定することが重要です。
また、現場のリアルな悩みとして非常に多く寄せられるのが、「養生資材のコスト問題」です。
寒中コンクリートの厳しい温度管理や、先ほど触れた「使い捨てによるコスト増」「作業負担」といった現場の課題を解決するために、酒井化学工業では断熱性に優れた「ミナフォーム」を活用した養生資材をご提案しています。
ミナフォームは、内部に独立した気泡を無数に含む高発泡ポリエチレンシートです。
この空気の層が優れた断熱効果を発揮し、コンクリートの水和熱を逃がさず、外の冷気をしっかり遮断します。薄いシートとは異なり、確実な温度維持が可能になるため、初期凍害のリスクを大幅に軽減できます。
さらに、現場のリアルな声にお応えして開発されたのが、足羽川ダムの建設現場でも実際に採用された実績のある「ミツオリ温マット」です。
この製品は、10mm厚のミナフォームにフィルム基材を貼り合わせており、水や汚れに強く、汚れてもサッと拭き取るだけで綺麗になります。
三つ折り構造で非常に軽量なため、持ち運びや設置の手間が省け、作業効率が劇的にアップします。
| ミツオリ温マットの特長 | 現場でのメリット |
|---|---|
| 再利用可能 | 使い捨てにならず、次の現場でも繰り返し使えるため大幅なコスト削減に。 |
| フィルム基材貼り合わせ | 水や汚れに強く、サッと拭き取るだけでお手入れが簡単。 |
| 三つ折り・軽量設計 | 持ち運びやすく、設置・撤収の手間が省けて作業効率UP。 |
| 厚みのカスタマイズ | 現場の状況や気温に合わせて最適な厚みに変更可能。 |
コンクリートの保温養生に関するお悩み・ご相談はありませんか?
お問い合わせをする(無料)